進学(大学院/専攻科)
大学院教育学研究科
大学院教育学研究科は、修業年限が2年の課程です。令和2年度より、従来の修士課程が専門職学位課程(教職大学院)に統合され、後述の3コースから成る、教育実践高度化専攻という一つの専攻となります。学部段階の教員養成の教育を基礎とし、教員免許を取得した学部からの入学者(ストレートマスター)と、現職教員とを受け入れています。いずれにしても学校現場の中核となって活躍できる実践的指導力を身につけた教員の養成を目的としています。
専門職学位課程は、学校教育現場の諸課題を解決できる高度な専門性と実践的指導力を備えた教員養成を目的として、本学では平成20 年4月に設置した課程です。この課程が発展して、教育実践高度化専攻となるわけです。この専攻には、教職リーダーコース、授業実践開発コース、特別支援教育実践開発コースの3つのコースがあり、修了後は教職修士(専門職)の学位が授与されます。これらのコースでは、教育課程の編成及び実施、教科等の実践的な指導方法、生徒指導及び教育相談、学級経営及び学校経営、学校教育と教員の在り方、多文化共生教育の各領域に関する共通科目とともに、各コースの専門的な科目を履修します。
❶ 教職リーダーコース
教職リーダーコースは、現職教員のみを受入れます。そのカリキュラムは、上記の共通科目に対応する各分野について、その実践を校内で主導できるレベルまで高めていくとともに、児童・生徒への支援や学校運営に関するコース別科目、講義と連動した学校現場における実習科目で構成されています。また、他コースもそうですが、ほぼ全ての授業を研究者教員と実務家教員のティーム・ティーチングで行うなど、特色ある教育を展開しています。学力低下やいじめや不登校などの児童・生徒の学習や生活面での直接的支援に関して、心理学・教育学の諸理論及び関連分野の知見からの科学的、分析的な深い理解に基づいて、指導方法を立案できる高度な実践力を身に付けた教員や、地域連携の在り方や学校の危機管理に対する対応、さらには学校全体における教育課程の編成や校内研修の企画などの学校運営に関して、教育学の諸理論及び関連分野の知見に基づいた幅広い視野と学校の社会的機能に関する深い理解のもとに、学校運営の実践的指導力のある教員の養成をめざします。
❷ 授業実践開発コース
授業実践開発コースでは、教科領域について高まる学修ニーズに応え、これからの社会で求められる資質・能力を育むために、子供たちの思考を揺さぶり、新たなものの見方の発見を促すような課題探究を行う授業を構想したり、教材を開発したりできる教員を養成します。学習指導要領改訂の趣旨を踏まえ、子どもが「何ができるようになるのか」という観点から教科等の指導の内容や方法についてとらえ直し、教科横断型の内容を子どもの実態に即して学ぶカリキュラムとなっています。各教科の学習指導や授業研究などの授業科目では、学校現場の子供の実態に即した授業実践の改善について学修を行います。
本コースは、現職の教員に加え、教員免許状を取得している学部新卒学生を受け入れます。
❸ 特別支援教育実践開発コース
特別支援教育実践開発コースでは、障害の重度化・重複化、多様化する教育的ニーズ、さらにはインクルーシブ教育に対応できる高度な専門性と、教育学、心理学、医学、福祉の面からの障害児に関する専門的な知識を有し、授業開発に係る実践力と教育的ニーズを抱える児童生徒の担当教員等への助言等をおこなう力を備えた特別支援学校や特別支援学級の教員を養成します。そのために①特別支援教育に係る授業実践や学校学級経営に関する科目、②特別支援教育の今日的課題としての科目、③特別支援教育の学校現場の課題を分析、解決する「課題研究」、④課題研究と密接に関連した実践とその検証・省察を行う「実習科目」のカリキュラムで教育を行います。
本コースは、特別支援学校教諭1種免許状取得者、もしくは特別支援学校教諭2種免許状を取得し特別支援学校等での勤務3年以上の経験者を受け入れます。なお、特支1種免取得者は課程修了によって特別支援学校教諭専修免許状が取得可能です。
❶ 群馬県公立学校教員選考試験の最終合格者で、教職大学院へ進学する人、およびこれらの大学院に在学中の人は、本人が群馬県教育委員会に申し出て許可を受けた場合、採用期日を延長できます。(令和3年度採用分)
❷ 大学院進学者、在学者に対し同様の採用期日延期措置をとっている自治体は他にもありますが、入学時から2年間の延期は教職大学院のみなどのケースもありますのでご注意ください。(令和3年度採用分)
専攻科
特別支援教育特別専攻科
本専攻科は大学の学部での学修を基礎にして、特別支援教育に関する高度な専門的教育を行い、社会からのニーズに応えられる有能な職業人の養成を目指している課程で修業年限は1年です。
ステップアップ
1種免許状取得コースは、4年制学部を卒業し、幼稚園教諭、小学校教諭、中学校教諭又は高等学校教諭の普通免許状を有することが出願資格で、修了すると特別支援学校教諭1種免許状が取得できます。
先輩からのメッセージ
一人一人の子どもの特性や、教育的ニーズに合わせた指導・支援をすることのできる特別支援教育は、全ての教育の基であると私は考えています。特別支援教育の知識と子どもを理解しようとする気持ちがあれば、どのような特性のある子どもに対しても、その子どもに適した指導・支援をすることができると考えます。そのため、特別支援教育は障害のある子どもに対してのものだけではなく、全ての子どもに対しての教育です。私は、子ども一人一人の特性を理解し、しっかりと向き合うことのできる教員になりたいと考え、特別支援教育を学びたいと思い、特別支援教育特別専攻科へ進学しました。
専攻科では、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱の4つの領域の免許を1年間で取得することができ、それぞれの領域について深く学ぶことができます。1種免許コースでは、全ての学生が特別支援教育について初めて学ぶため、基礎的な知識から丁寧に、そして詳しく学ぶことができます。また、専攻科の在籍生は、年齢や学歴、経歴も様々な方が多く、色々な人と考えを共有できたり、自分の考えや価値観を広め、深めたりすることができます。9月には、特別支援学校での教育実習があり、実際に子どもたちと係わり合い、学び合うことで、授業だけではわからない障害のある子どもたちの実態や、生活なども見ることができます。1年間専攻科で学んだことは、教員になるうえで自分の知識や考えを深めることのでき、充実しているものです。みなさんもぜひ専攻科に来て、一緒に学んでみてはいかがでしょうか。