群馬大学教育学部2000年後期 火山学受講生レポート

10.16(月)1020 オリエンテーション,三宅島噴火1.TBS報道特集8.13
10.23(月)1020 三宅島噴火2.TBS報道特集9.03
10.30(月)1020 三宅島の防災対応.朝日ニュースター説明責任9.07

を受講した報告として,学生にレポート提出を求めました.受講生6人のうち,4人が提出しました.そのうち3人が電子メールで提出したので,下に置きます.レポート全文でなく部分です.(11.10)

さらにひとりが提出しました.もうひとりは,単位を必要としてないので,出さないようにみえる.(11.13)


 私は火山学の授業で、三宅島の火山活動について先生のお話を聞いたり、ビデオを
見たりして次のようなことを学んだり考えたりしました。
 まず、授業の中で学ぶことができたこととしては、地中でのマグマの動き方があり
ます。今までは地中をマグマが移動するときには進行方向にある地盤をマグマ自身が
溶かしながら進んでいくものだと思っていました。これはどこかで得た知識ではなく
自分で勝手にそう思い込んでいました。ビデオの中でマグマの動き方のモデルとし
て、カンテンを地殻にみたててその中にマグマにみたてた液体を注射器で少しずつ注
入していくという実験をしていました。その動きは、高温のものが動いている動き方
ではなく、液体が固体の中に滑り込んでいくようでした。この映像を見てマグマの動
き方というのは自分が考えていたものとまったく違い、高温だということはあまり関
係がないなのだなと思いました。
 三宅島の住民の方々の様子をテレビや、授業でビデオで見たり、実際に住民の方に
会った話などを聞いて、日本という国はいつまでたっても災害や事故のような突発的
におきる問題に弱いなと感じました。特にそれが感じられるのは、政府や東京都の対
応がまったくといっていいほど住民のことを考えていないということです。やること
を見ていると、なんでもかんでも四角四面にやろうとしているように見えます。マ
ニュアル通りとか、規則通りといったように行政サイドからのものの見方のみで住民
の避難などをしてしまっていると思います。子供が親と離れて暮らさなければならな
いという異常な事態を引き起こしているのも、やはり行政側の都合によって住民たち
が動かされているからではないでしょうか。秋川高校で暮らしている子供たちは、お
そらくものすごいストレスを感じているのではないかと思います。本人たちはストレ
スだと感じていないのかもしれませんが、そのストレスによって子供たちの心が少し
ずつ蝕まれていると思います。動物は嫌なことがあると集団の中で、自分より弱い個
体に当たるようになり、そしてその集団で一番弱い個体は物に当たるようになってし
まうそうです。このことが秋川高校にいる子供達の中でもおきてしまったとしたら、
それはいじめになってきます。まだこのようなことにはなっていないと思いますが、
いつかいじめのようなことが始まってしまうかもしれません。子供達の精神状態がそ
んな風になってしまう前に、どうにかしてあげたいと思いました。        
               
 11月12日 20:50  (3年男子学生)


 私は実を言うと今回の火山学を受講するまで、恥ずかしながら三宅島の火山活動の状態や、避難している島民の生活の実態というものを詳しく知りませんでした。ただ、ちょうど火山活動が盛んだった時に放送されていたニュースをみて大変なんだなと思ったくらいでした。そこで今回、三宅島の火山活動やそれにより引き起こされたいろいろな社会的状況などをも踏まえた講義のなかで私が一番に考えさせられたことは理科的要素はなにもふくまれていないのですが、住人の安全についてということです。三宅島の火山活動がいよいよ強くなり、島民を避難させてくれと要求しているにもかかわらず、東京都はまだ島にいるようにしていたが、それをきいたとき私は優先順位をまちがえているのではと思いました。少なからず三宅島は危険な状態にあるということは分かっているのに、避難させないのか、受け入れるがわの準備やいろいろあるのは分かりますが人の命より優先するものがあるのかなと思いました。そして、いざ、避難しろというと島民のなかでは島を捨てられないといってそこから動こうとしなかったり、島が危険で避難しているのに物をとりにもどったりと状況を考えずに自らを危険にさらすようなまねをしているので、この人たちは状況が理解していないのだから、もし何かがおこっても仕方ないのではと思います。ずっと住んで慣れしたしんだ島を離れたくないという気持やより快適な生活をしたいというのは分かるのですが、こうなってしまって以上は今おかれている状況を理解することが重要になると思いました。私は今後の三宅島について極論を島民に伝えてもいいのではと考えます。ここでいう極論とは早川先生がおっしゃっていたいずれ三宅島は地図から消えてしまうかもしれないということです。このことを知ったなら今の危険を無視した考えや人に頼った生活からなんとか自律しようという考えに変わり、そのほうが避難生活を送っている人たちの気持が楽になるように思ったからです。

 今三宅島ではどのような火山活動が起こっているのか住民にただしく知ってもらうこと、それを踏まえたうえで行動することができなければならないと思いました。しかし、日本人は行動力がないためにある程度強い指示、すばやい指示が必要になると思います。

(3年女子学生)


授業を受けての感想

 三宅島自体も危険だが、なにより三宅島の住民が危険だと感じた。私も秋川高校に
行って、三宅島の子供たちが秋川高校で1ヶ月以上も寮生活をしているという事実を
目の当たりにし、また、村長たち村のトップの人たちのふがいなさ、自分の子供たち
のことなのにほとんど質問をしない親(島民)を見てきて、早川先生の言うとおりこの
ままでは危険だなと感じたが、それからしばらくたっても何も変わっていないという
ことに驚いた。特に子供が当たり前のように救援物資をもらうことによってありがと
うが言えなくなっていると言う事には本当に危機感を感じた。正直のところ私は生半
可な同情や優しさをかけてしまう人間だと思うが、それがこのような自体を招いてし
まうとは考えてもみなかったので、それだけでは行けないと自分の考えを改めるとと
もに、早く何とかしないと行けないなと感じた。私個人の意見としては、村民が自ら
発起すると言うことはあまり望めないような気がするので(自分が同じ状態になって
も発起できないかもしれない)、発言力の強いトップの人たちが方針をしっかり固め
て(今後の生活について)それをしっかりと伝えることが必要なのではないかと思う
。たとえば村長ほどの人が長期戦になることをしっかり伝えれば、村民が納得するし
ないは別にして今後の生活を考えていけるのではないかと思う。少なくてもいつ帰れ
るかわからないのに少ない可能性を信じて何もしない現状は変えることができるよう
な気がする。授業でもあったが、行政のほうも方針があいまいであり、行政がしっか
りしないといけないのに、その行政と気象庁のコミュニケーションもうまくいってい
ないらしく、適切な法処置もとっていないらしい(災害対策基本法第63条もとって
いないし、緊急火山情報も出していない)。世論によってトップの人たちが動かせれ
ばよいのだが、最近はすっかり三宅のニュースが流れない。このままでは本当に誰か
死なないと変わらないのではないかと感じてしまう。早川先生が「子供たちが人質に
なっている」というのもわかるような気がした。
 三宅島自体も何が起こるかわからない状態にあるのだとわかった。私は、マイナス
の噴火と言うものをはじめて知ったが、そのようなものが実際に存在することに驚い
た。やはり噴火と言えば噴出すイメージがあるが、山頂の物質が沈み込んでいってし
まうとは不思議であると感じたし、実際にビデオで山頂の形がまったく変わってしま
っているのを見てものすごい量の物質が沈み込んでしまったことに驚いた。現在世界
最大規模の二酸化硫黄の噴出も起こっているとのことであり、本当に何が起こるか私
には見当もつかないので、今後の三宅島の動向を見守りたい。また、三宅島に限った
ことではないが、この授業で火砕流の恐ろしさがわかったので今後は火砕流について
もっと重要視して(大変なことであるという認識をして)ニュースなどを見ていきたい
と思った。

(3年男子学生)


 <三宅島の非難住民と彼等をとりまく様々な機関、に対する私の考え>

 1.子どもたちについて:
 子どもたちは、8月23日に非難した。30日からは全寮制である都立秋川高校で
授業を再開している。現在でも、子どもたちは秋川高校で寮生活をしている。
 もう島から避難して2ヵ月がたつ。子どもたちは、祝日や土日曜日に学校から許可
をもらって親元に帰っているので、特に小学生の低学年は限界ではないかと、わたし
は考える。学校側は、「秋川高校は全寮制を規則としているので、家からの通学は認
めない」としている。これは、小学生の低学年を対象として考えていないようにわた
しは思える。基本的に小学生の低学年は、親が引き取るということになっているよう
だが、現時点で小学生の低学年がいるのだから、彼等の気持ちもくみ取ってあげれば
いいのにと思う。そもそも子どもたちは秋川高校に入学したわけではなく、三宅島か
ら避難してきて、秋川高校で授業をしているのだから、秋川高校の規則にのる必要は
あるのだろうか。田舎のお嫁さん(嫁として家に入ったのだから家のしきたりを守っ
てもらう。という考え)と同じように考えているのだろうか。郷に入りては郷に従え
ということなのかもしれない、と自分なりに解釈した。夜に公衆電話で泣きながら親
に「帰りたい」と言っているのを、上の方々が知っていても、「家からの通学を認め
ない」事になったわけだから、親は早く子どもを引き取りに来ればいいのにと、わた
しは思う。もう一つ、寮には子どもたちが喜ぶもの(お菓子やなんらかのサービス)
がたくさんある。子どもたちは、当り前のようにお菓子をもらったりするようになっ
ていて「ありがとう」がいえないという話をきいて、わたしはショックをうけた。子
どもとはいえ、物が豊かになると、人間のいやらしいところがみえてくのだろうか。
そう考えると、やはり、寮生活はさせないほうがいいのではないかと思った。「あり
がとう」がいえないということは、世間から見れば、たぶんいけないことされている
だろう。当然、わたしもそう思っている。

 2.住民と村、都、政府
 9月1日12:00、全島民非難の呼びかけを行った。その内容として、9月2〜4日
の間に島から出ろというものであった。この間、先に避難していた人を一度島に帰せ
るような船も運行させていた。この時点で島民の25%が島に残っていた。残りの7
5%は自主的に避難していたのである。
 この避難は法的には強制ではない。にもかかわらず、島に帰せ!位牌や慰霊をとり
に帰させろ!と住民は言っている。そのように住民が言い出した理由として、(1)
避難は強制的にさせられたものとしての思い込み。(2)「こんな長い期間に及ぶと
思わなかった。」(3)「前の噴火と同じような感じで短い期間の避難としてきたか
ら、何も持ってこなかった。」などということだろうとわたしは考える。強制的にさ
せられたと思っている人はたくさんいるとわたしは考える。
 また、住民が避難してくるとき、気象庁は住民に細かな情報を与えたのだろうか。
もし、情報の伝達が不十分であり、島の状況(帰れないかもしれないということ)が
ひとり一人に知らされていなかったら、「島にかえせ!」「大事なものをとりに帰ら
せろ!」という人がでるのも無理無いと考える。避難するということは、どんなこと
を意味しているのかを考え、行動にうつせる人は少ないとわたしの友人はいっていた
。では、ひとり一人に島の状況が知らされていた場合、住民はどのような行動をとっ
たのだろうか。今とは全然状況が違っていたはずであると考える。少なくとも、島に
帰せ!という人は少数であったかもしれない。
 7月8日に一度目の噴火が起こり、今までに見たことの無いような事件がおこって
いたのだから、住民が避難するまでの間に気象庁は災害対策基本法第63条をだせば
良いのにとおもった。現在でも気象庁は出していないので、だしてしまえば住民もあ
きらめるかもしれないと思う。結果的に、今の状況になったのは、情報の伝達が不具
合だったことと、それに対する住民の意見が無いことがこのようなことを招いたよう
に感じる。
 1)予知について:
    まず、火山噴火予知連絡会は、1974年に組織された気象庁長官の私的諮
問期間であり、法的根拠は特にない。この火山噴火予知連絡会と、気象庁、専門家に
よって、予知されている。
 2)火山噴火による対策:
    対策においては、村、都、政府が行う。
 3)避難に関して:
    避難に関しては村長が行う。災害対策基本法第60条は、村長に権限がある。

(2年女子学生)