はやく地域にとけこもう --府中市の都営住宅から報告--

田中真美

私は府中市の都営住宅に入居しています.総世帯数約30、三宅からは5世帯です.きょう,こちらの町内会から餅つき大会に誘っていただきました。住宅の自治会長さんも日頃からとても親切にしてくださっていて一緒に会場まで案内してくださいました。

餅つきを見て帰ってくるのかとおもいきや、けんちん汁や漬物、いろいろな味付けをしたお餅、それにビールと日本酒を振舞われ、満腹の酔っ払いと化して帰宅しました。

町内会とはいえ、今日招いてくれたのは「1丁目町内会」で、私がいるのは「2丁目」です。直接関わりのない隣の町内会が、私達の住宅を気にかけてわざわざ会場でも付きっきりでもてなしてくださった。

「まだまだ帰れそうにないですか」「島はどのくらいの広さ」「人口は何人」「島の特産はなんですか」「秋川の子どもはかわいそうですね」など,沢山の質問を受けました。

今日は大規模な集会が港区であるから、そちらに参加した人もありますが,地元の町内会に顔をだせてよかったと思います。

帰り道、住宅の自治会長さんから「私はできるだけ三宅の人も同じ住民として扱いたいと思っています。そして三宅の人が自治集会にもきちんと出席してくれているとほっとします。今日のような会にも、気楽にどんどん顔をだしてもらえるといいと思います」といわれました。

地域の人のあたたかさがとても嬉しくて、みんなでよくお礼をいっておいとましました。帰り際に町内会長さんが「うちの畑で大根が取れて困っているから今度三宅の人に配ってよ」と自治会長さんに話していました。人情や温かみは島の専売特許ではないと思います。三宅から来たとくに大人の人が早く気持ちを切り替えて地域にとけこめるといいと願わずにいられません。

東京にはたしかに悪い人もたくさんいるけど、それは人がたくさんいるからで、温かい人だってたくさんいる。今日自治会長さんと話していて、「転校されるとイジメにあうのが心配」というよく耳にする言葉を伝えてみたところ、温厚な彼がきっぱりと「それはとんでもない思い違いですよ」と言いました。

小学校一年生を筆頭に三人のお子さんをもつお母さんの話

7月の噴火以来、地震も怖くて子どもが可哀想だから、都内に避難した。1学期の終業式には一旦帰島したがそのまま避難した。だからなにも持ってこれなかった。

9月からアパートの地域の学校に、小学一年の長男は転校した。最初はとてもいやがったが、すぐに友達ができて毎日のように友達を家につれてきた。近所からうるさいと苦情がくるほどだった。

秋川の学校の先生が電話してくれたときは、子どもが直接話をして、今度は秋川へ行きたいとごねてちょっとたいへんだった。

10月に都営住宅へ移ることにしたら、子どもは転校するのをとてもいやがった。しかしもうすっかり馴染んで、今では島に帰りたくないと言っている。

お母さんいわく「子どもは早い」。

NHKの夕方のニュースだったかと思いますが,秋川に預けている子どもに親が「どこに住みたい?」と聞いたら子供が「お父さんお母さんと一緒がいい」と答えていました。次に「どこの学校がいい」と聞くと「秋川がいい」と答えました。

子どもは、とくにたくさん友達がいて人間関係がうまくいっている子どもほど「転校したくない」というものだと思います。そしてそういう子どもは新しい環境でもすぐによい友達がたくさんできます。「両親と一緒に住みたい」と即答する子どもは両親と住めるようにしてやるべきで,学校のことは「すぐいいお友達ができるよ、三宅のお友達にもまた会えるからね」と言ってやるのがよいと思います。

転校して行った子どもへの三宅教員のフォローが場合によっては逆効果を生むことを知ってください.

(2000.12.03)