Date: Wed, 26 Jul 2000 10:52:03 +0900 To: 青山敏行 From: Yukio Hayakawa Subject: Re: 初めまして。 青山さん, メールありがとうございます. くさやは大好きです. At 17:38 +0900 00.7.25, 青山敏行 wrote: >其の一:現在続いている、雄山山頂部の陥没崩落について教えてください。。 >この十数年間にたまったマグマが、移動してしまったことにより地下に空洞が出来 >その空洞に陥没していっているんだと素人考えをしていますが、いかがでしょうか。 どうやら,6月26日夜からの事件で地下に空洞ができたらしい. その空洞のなかに,徐々に落ち込んでいるらしい. 陥没は7月22日の時点で,まだ続いているようにみえる. > >其の二:もしそうだとした場合、空洞になったマグマだまりの大きさを調べる方法 >はあるのでしょうか。 重力をはかったり,カーナビと同じ原理のGPSというキカイで地表の位置移動をはか ります.そしてむずかしい計算(わたしにはできない)をすると,地下に空洞をみつ けたり,その大きさを推定することができます. > >其の三:空洞が大きかった場合、最悪、三宅島沈没という自体も考えられますか? その中にそっくり島が落ち込むことは考えられません. ただし,村営牧場がある地域(島の中心部の直径3.5kmの範囲)が落ち込むことはあ り得ます.過去にありました.それを桑木平カルデラといいます.今回それが起こる かどうか,わかりません.起こらないとみる研究者が多い. > >其の四:今三宅島では、厳重な警戒が必要です。と、先生は示唆しておられますが >どのような事態が起こるとお考えなのでしょうか。差し支えなければ教えて下さい。 > ・村営牧場から上(標高でいえば400メートルから上)がそっくりなくなってしまう ことが最悪のシナリオです.これが起こると全島壊滅.さらに津波で,南関東に甚大 な被害が発生します.このシナリオがこれから起こる確率はとても小さい.このシナ リオが選ばれる必然性はとぼしい.(1%) ・山頂火口からはげしい水蒸気爆発が起これば,海岸部まで噴石がとぶ危険がありま す.しかし,それはよっぽどつよい爆発が起こったときに限られます.そのような最 強の爆発が起こる必然性はいまとくにない.(9%) ・14日と15日のような火山灰放出を今後しばらく繰り返す可能性はかなりあると思い ます.火山灰の降下は,そのときの風向きによりますから,全島でその心配をする必 要があります.(50%) ・もう終わり.しかしまだ陥没が進行しているようだから,もう終わりだと見るのは ,楽観的すぎるようにおもいます.(20%) ・上記以外の,想像を超えた事件(20%) 上の五つのシナリオに,私が思う発生確率を括弧で示しました.この発生確率は火山 学者ひとり一人によってちがう数字になります. >私たち一般市民には何の情報もありません。不安が募る一方でおります。 >お忙しい中恐縮ですが、返事をいただけたら幸いです。 わからない部分は,何度でも聞いてください. 私はすべてに回答を与えられる能力をもっているわけではありませんが, 知っている範囲・わかる範囲でお答えします. わかっていないことは,わかっていないとお答えします. 山のようすをみようと,鉢巻林道から上にあがるのはいまいちじるしく危険です. やめてほしい. --------------------------------------------- 早川由紀夫