本の紹介

率先市民主義
防災ボランティア論 講義ノート
林 春男(2001.4.30)
晃洋書房
1400円

林春男は,京都大学防災研究所教授.社会心理学.
静岡県が実施した防災総合講座での講義ノート.
録音テープをもとにして書き起こされたらしく,彼の軽快なわかりやすい語り口
が紙面から浮き出してくる.読みやすい.

「阪神・淡路大震災の被災者を対象に1999年に私が行った調査で分かったこ
とは、家の再建について最初の一週間で,今の場所に住み続けるのか,そこを離
れるのかの方針を半数以上の人が決めています.また,最初の一ヶ月で家の再建
について,実際に行動を起こした人が過半数にのぼります.
 その間,行政は何をしていたかといったら,仮設住宅を発注して建築をし始め
たところです.復興計画なんかまだ影もかたちもありません.そんな段階で,す
でに大部分の人がその後の人生設計を決めているのです.」54−55ページ

「被災した人たちは自分たちは被災者であり助けてもらう側で,自分たちが何か
をしなければならないとは思っていません.」96ページ

「その人たちが再度登場するきっかけになったのが,1996年の日本海重油流
出事故でした.震災後,それまで活動の場がなかったのが,あの災害で「もう一
度やろう」と日本中から集まってきました.以後,日本各地で災害があればボラ
ンティアが現れるという状況が全国で起こっています.」123ページ