早川由紀夫の三宅島ページ
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7.30
シェルターの風化 一年前,降ってくる小石を避けるために三宅島にシェルターが運び込まれました.別の火山ですが,10年以上前に設置されたシェルターがいまどのように扱われているかをきのう見て,がくぜんとしました.慣れとはおそろしいものです.こういう慣れは,社会のある部分が常に指摘して正していくべき性質のものだと信じます.地元自治体だけにまかせていてはいけない.なぜなら,観光客という不特定多数の国民の生命がかかっているのだから.
7.26
台風の接近で,ひさしぶりに三宅島にまとまった雨が降るようです.もちろん夜間滞在はしないのだろう.
さて,おとといときのうは,地震研究所でおこなわれた研究集会「火山情報と災害危機管理」に参加していました.わたしはそこで,日本の火山リスク評価の展望を話しました.
話のあとの質問時間で,「首都圏の地震に対する損失余命はどれくらいか」とお尋ねを受けました.「計算してません」と答えました.そのあと考えました.(いまここで考えている)火山噴火は,地域の人命を等しく滅ぼすことが特徴です.一方,地震は建物に被害を与えますが,滅ぼす人命の数はその地域の人口にくらべてはるかに少数です(日本の耐震工学は進んでいます).1995年の神戸の地震では,つよい震動を受けた地域の人口の1%程度が死亡しました.したがって,100年に一度,1%の住民が死亡する地震のリスク(損失余命)は,1万年に1回全滅させる噴火のリスク(損失余命)と同等だと言えます.
7.17
きのう(7.16)22時,三宅島で1.5mmの降雨がありました.23時にも6.0mm降った.24.5日ぶりのお湿りでした.
7.15
暑い! 6月22日10時を最後に,三宅島では1mm以上の雨が一度も降っていません.ゼロの行進が550時間を突破しました.
7.10
明日から一時帰島ミッションがはじまりますが,間の悪いことに,きょう0638と0823に三宅島が噴火したと気象庁が発表しました.東大地震研究所の御蔵島カメラ噴煙画像アーカイブ(ヨッシーさん作成)をごらんください.9時の画像がいちばんくっきりです.
7.09
- 地震保険 保険会社は,リスクが大きすぎると思うときに特定のお客様に特定の商品を売らない権利をもっています.たとえば,交通事故を何度も繰り返しているお客様に保険会社は自動車保険を売りたがりません.
- しかし火災保険・地震保険は公共性が高い保険だから,保険会社はそれをできるだけ売るように国から指導されています.地震保険はunderwritingされている保険ですから,お客様からの購入申込みを保険会社は基本的に受けます.
- ただし現況確認ができないと,商品を売ることができません.現況確認ができる人はこのチャンスを逃さないように.(この記述は昨年10月に勉強したことを再構成したものです.これをいまここに書く意義を感じました.)
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7.08
- いまの三宅島災害対応は妥当なのかもしれない 有珠山災害と三宅島災害は,どちらも昨年始まった火山災害だが,現時点において地域社会に与えているインパクトをくらべると,三宅島災害より有珠山災害が重大な影響を与えていると言わざるをえない.
- 有珠山ではまだ1500人の住民が自宅に帰らずに仮設住宅で暮らしている.避難勧告は解かれたが,自宅で安心して夜間就寝できるようになるのはまだ先のことだ.噴火によって住居を完全に失ったり全壊を受けた人も少なくない.そのような人たちは,新天地に生活の基盤を求めることになる.
- いっぽう三宅島の住民は,3800人全員が島から離れてはいるが,仮設住宅で暮らしている人はひとりもいない.全員が災害当初から恒久住宅に入居している.噴火によって全壊した住居はひとつもいない.泥流災害で全壊した家屋は11棟(内閣府01.04.23)と少数である.
- 今回の三宅島災害では,全住民避難による無人島化の事態を,社会が過度に深刻に受け止めてしまったのではないか.このページで言論活動をした私自身も反省すべきなのかもしれない.三宅島が首都圏から近かったため,災害救援の手が需要をはるかに上回って差し伸べられてしまった(たとえばテレホンカード.それから義援金).
- 上のように考えれば,気象庁が緊急火山情報を出さないのも災害に命名しないのも,国が特別立法しないのも激甚災害に指定しないのも,東京都の三宅村援助が通り一遍なのも(たとえば昨年8月の井門課長発言),三宅村が本腰を入れて災害に立ち向かわないのも(たとえば01.5.20助役発言),すべて,この災害への対応として行政はしごく真っ当にやっていると評価すべきなのだろう.
- ただ,こう考えてもうまく説明できないのが,東京都が昨年9月以来,島の機能回復と維持に安くない投資を継続していることだ.これは,被災者の雇用確保が主目的の公共事業政策だとみるべきなのだろうか?
7.03
きょうは日本全国,晴れ!(北海道を除く) 三宅島も晴れていて,カルデラ床がのぞけそう(東大御蔵島カメラ).6.04(地震研究所へのリンク)以来もう1カ月もカルデラ床の本格的情報がありません.
7.02
- 何をエンドポイント(どうしても避けたいこと)にするか,そこから議論が始まるのがリスク論だという.であるなら,三宅島噴火災害のエンドポイントは何か?「三宅村の消滅」は,もはやエンドポイントに設定できなくなったように感じる.舵取りがいないだけでなく,どうやら目的地も見失ってしまったようだ.
- 原研シミュレーション(SPEEDI)によると,ひさしぶりにきょうの午後,三宅島の火山ガスが本州にやってきそうです.東海地方ですから,新装なったそらまめ君がはじめて力を発揮するか?注目しましょう.(新そらまめ君の地図,私のマックでは見えないですぅ.ウインで見てる.)
- 本の紹介「率先市民主義 防災ボランティア論 講義ノート」林 春男(2001)
- 岩手山・有珠山・浅間山のページも最近更新しましたので,ごらんください.